近年、人気と注目が集まっている資金調達方法『ファクタリング』をご存知ですか?


中小企業や個人事業主が資金調達する場合には『銀行融資』が一般的な方法でしたが、ファクタリングは銀行からの借入とは異なる全く新しい資金調達法です。
ここでは、ファクタリングの仕組みを図解し、メリット・デメリットや会社選びのポイントをわかりやすく解説していきます。
Contents
ファクタリングとは?意味を図解でわかりやすく解説!
ファクタリングとは、企業の持つ「売掛金」や「受取手形」などを業者へ売却することで、売掛金を「早期資金化」することです。

企業としては、何らかの事情で売掛金の入金前に現金が必要になった際にこのファクタリングを利用することで、売掛金が入金される前に現金を確保することが出来ます。
2社間取引ファクタリング
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出典:https://kyushu-factoring.com/
3社間取引ファクタリング
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出典:https://kyushu-factoring.com/
しかし、銀行融資を受ける場合は、『キャッシュフローの悪化』が発生します。当然、ファクタリングも同じように考える方もいるかと思います。
ファクタリングを利用した際、損益計算書はどのように変化するのか見てみましょう。
■ファクタリングを利用した際の資産変動
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出典:https://bestfactor.jp/factoring/whats/
ファクタリングの仕組みとしては、『売掛金』をファクタリング会社から『現金』で債務者の代わりに支払いをしてもらう形になります。
貸借対照表上では現金として処理するため、キャッシュフローの悪化がありません。
これは、企業にとっては大きなメリットだと言えます。

ファクタリングの仕組み
ファクタリングの仕組みを簡単にいうと、企業が保有する売掛債権をファクタリング業者が買取り、資金を提供するサービスです。
※企業は必要手数料を支払う
また、債務者(取引先企業)の与信調査や管理、売掛債権回収などを行い、ファクタリング取引の種類により、サービス内容が変わります。
ファクタリングの種類
ファクタリングには基本的に2社間取引と3社間取引の2種類あります。
2社間取引ファクタリング
画像参照:https://legare888.co.jp/about_us.php
「売掛債権を保有する企業」と「ファクタリング業者」の2社間で行われる取引。
取引先に債権譲渡を知られたくない場合に適しています。
また、取引先が倒産し債権回収が不能になった場合でも、業者への返金が不要の為、保険的役割もあるが手数料が比較的高くなる点も。
3社間取引ファクタリング
画像参照:https://legare888.co.jp/about_us.php
- 売掛債権を保有する企業
- 売掛先である取引先企業
- ファクタリング業者
の3社間で行われる取引。
売掛先である取引先企業への通知・承諾が必要で、ファクタリング業者が代金回収も担うことがあります。保険的役割が無い為、手数料が安いのが特徴です。


- 資金繰り悪化などの企業状況を知られず資金調達したい
- 取引先が倒産する可能性がある為、保険として使用したい
- 安い手数料で資金調達したい
- 債権回収業務を委託し、回収の手間と切手代や印紙代などの削減をしたい
企業の状況に応じて上手に選択しましょう!
ファクタリングの手数料や諸費用・必要書類は?


まずは、手数料!
- 2社間取引ファクタリング
10%~30%程度 - 3社間取引ファクタリング
5%~7%程度
次に諸費用!
- 事務手続き費用:10,000円程度
- 契約書貼付収入印紙代:4,000円程度
- 債権譲渡登記費用(登記の必要がある場合のみ):60,000円~70,000円程度
- 登記抹消費用(登記後、抹消を行う場合):30,000円程度
- 公正証書(契約内容による):81,800円
- 確定日付(契約内容による):3,400円
一般的な銀行融資やビジネスローンの年率が2~15%程度です。
手数料が高いという点は利用時の最大のネックですね。
ですが、年率2~15%の融資を受けれない企業も多くありますし、事情により早急に資金が必要な場合もあるでしょう。
そのため、中小企業の経営者様には、ファクタリングが非常に有効な資金調達手段となることは間違いありません。
- 商業、法人登記簿謄本:600円
- 法人代表者登記印鑑証明書:450円
- 納税証明書:200~400円
※注意点
決算書、試算表、売掛先企業と取引の証拠となる書類が必要な場合もあり、契約する業者によって多少、必要書類が異なります。
ファクタリングと銀行融資の違い比較
次に、ファクタリングと銀行融資の違いを表を使って解説していきます。
ファクタリング | 銀行融資 | |
資金調達のコスト | 5~30%程度 | 2~15%程度 |
資金調達までの時間 | 即日~数日 | 1~2ヶ月 |
審査難易度 | 甘い | 厳しい |
資金返済期間の延長や延滞中の資金調達 | 可能 | 不可 |
財務内容への影響 | 売掛金が現預金に変化 | 借入金が増加(財務内容の悪化) |
企業の質 | 優良企業~悪質企業までさまざま(企業選びが重要) | 銀行のブランド力があり、基本、優良企業 |
ファクタリングの優れた点は下記4点です
- 資金調達まで時間が早い
- 審査度が容易
- 資金返済期間の延長や延滞中にも資金調達が可能
- 財務内容の影響(キャッシュフローが悪化しない)
もちろん、資金調達のコストが高い為、銀行に劣ります。
ですが、先ほども申し上げた通り、年率2~15%の銀行融資を受けれない企業も多くあり、資金調達が早急に必要な場合もあると思います。
そのため、ファクタリングが一つの有効な資金調達手段であることは間違いないでしょう。
ファクタリング会社の正しい選び方
ファクタリング業者は、優良企業から悪質企業までさまざま存在します。
そのため、ファクタリングを利用するにあたって会社選びは、非常に重要なポイントになります。
ファクタリング業者選びで重要なポイントをご紹介いたします。
- どんなに条件が良くても、手数料は30%以上の場合
- 2社間ファクタリングで手数料が非常に安い場合
- 2回目以降の手数料が安くならない
- ファクタリング業者が手数料の金額をあいまいにし、明確にしない
- 手数料以外の金額が相場より高く請求される
- 契約書の受け渡しがないまま、話をすすめてくる場合
上記のようなファクタリング会社には注意が必要なので、上の6つのポイントに当てはまらないファクタリング業者を選ぶと良いでしょう。
大切な会社のお金に関わることですので、良すぎる条件には安易に乗らずに必ずしっかりと契約内容の確認をしましょう!
ファクタリングのメリット・デメリット
いままでの点を踏まえ、ファクタリングのメリット・デメリットをまとめましたので、紹介していきます。
- 資金調達まで時間が早い(売掛金を早期現金化できる)
- 売掛先の財務状況が悪くなり、倒産した場合も支払いリスクは発生しない
- 財務内容の影響(キャッシュフローが悪化しない)
- 銀行融資よりも審査度が容易
- 資金返済期間の延長や延滞中にも資金調達が可能
- 売掛債権の金額範囲内のみ、資金化できる
- ファクタリング業者への手数料が必要
- 3社間での取引となった場合、売掛先企業の承諾が必要
- 銀行と異なり、優良企業から悪質業者までさまざまな為、企業選びを慎重に行う必要がある
ファクタリングはメリットがとても多いサービスですが、反面デメリットも存在しています。
- 銀行融資を断られてしまった
- 早急に資金の調達が必要で売掛金の入金まで待てない
- 銀行、取引先に知られず資金調達したい
などという状況の方は、一度ファクタリングの利用を検討してみてはいかかでしょうか。
まとめ
ここまで、近年注目が集まっている資金調達方法『ファクタリング』について紹介してきました。
資金調達には銀行融資が当たり前でしたが、欧米ではファクタリングが当たり前に行われています。
売掛金が早期に現金化されることでキャッシュフローの改善につながりますし、銀行融資のように審査に時間がかからないことや、資金返済期間の延長や延滞中にも資金調達が可能という点では明確な差別化ができているサービスです。
活用するときはファクタリング業者選びのポイントを意識し、トラブルにならないように、手数料や契約内容を確認した上で契約を行うことをオススメします。